Magicodeでは初投稿となります。いろいろな機能を試させていただきます。
R4.2.0の主な変更点
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(native pipe)というパイプが実用レベルになったことで、これまでのデファクトスタンダードとなっていたサードパーティ製パイプ%>%
(magrittr pipe)がお役御免になりそう?とのことです。
Rをご存じない方のために軽く説明しておくと、RではLinuxのパイプとよく似た機能を実現するためにサードパーティー製ライブラリのtidyverseでパイプ%>%
が実装されています。初出は2014年だそうですが、この機能が大変に人気であったために現在ではRのデファクトスタンダードとなっていました。
ちなみにパイプは以下のように使用します。
iris %>%
group_by(species) %>%
summarise(mean_width = mean(Sepal.Width))
%>%
よりも|>
でできることは絞られているのでnative pipeは劣化版パイプであり、人気はでないのかなと思っていました。しかしtidyverseの祖であり、近代Rの父であるHadley Wickham氏がnative pipeの使用を推奨していることもあり、R界隈がざわついているわけです。
パイプの他にも、Windowsにおけるデフォルト文字エンコードがShift-JISからUTF-8に変更になったため、長年文字化けに苦しんでいたR x Winユーザーが苦悩から解放されることとなりました。
インストール方法
昔からずっとそうなのですが、Rを配布している団体であるCRANのサイトは導線がわかりにくく、Rをインストールしてから使えるようになるまでにはどうしたらよいかが極めてわかりにくいです。私も半日くらいハマったので解決法をまとめておきます。
Ubuntu向けの案内は2022年4月29日時点でワークしない
R4.1.x系列の頃はUbuntu用のレポジトリがCRAN(Rのオフィシャル団体)から
提供されていたのですが、如何せん4.2.0は2022年4月22日に公開されたばかり。こちらでは4.2.0はまだ対応していないようです。
Debian向けの案内ならうまくいく
UbuntuはDebian系だからきっとうまくいくはず! ということで
Debian向けの方法でトライしてみました。
sudo apt-get update
sudo apt-get install r-base r-base-dev
確認
ターミナルからRを起動し、バージョンを確認します。
❯ R
R version 4.2.0 (2022-04-22) -- "Vigorous Calisthenics"
Copyright (C) 2022 The R Foundation for Statistical Computing
Platform: x86_64-pc-linux-gnu (64-bit)
R は、自由なソフトウェアであり、「完全に無保証」です。
一定の条件に従えば、自由にこれを再配布することができます。
配布条件の詳細に関しては、'license()' あるいは 'licence()' と入力してください。
R は多くの貢献者による共同プロジェクトです。
詳しくは 'contributors()' と入力してください。
また、R や R のパッケージを出版物で引用する際の形式については
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'demo()' と入力すればデモをみることができます。
'help()' とすればオンラインヘルプが出ます。
'help.start()' で HTML ブラウザによるヘルプがみられます。
'q()' と入力すれば R を終了します。
大丈夫そうです。一応Rstudio(-server)からも確認しておきます。
> R.version
_
platform x86_64-pc-linux-gnu
arch x86_64
os linux-gnu
system x86_64, linux-gnu
status
major 4
minor 2.0
year 2022
month 04
day 22
svn rev 82229
language R
version.string R version 4.2.0 (2022-04-22)
nickname Vigorous Calisthenics
ということで無事インストールが確認できました!
最後に
ソースからビルドする羽目になることを想定して記事を書き始めましたが、案外簡単で拍子抜けしてしまいました・・・。
普段Rを使わない方も、Rが新展開を迎えたこのタイミングではじめてみてはいかがでしょうか♪ それでは、ごきげんよう。